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2010年12月31日 08:44 / カテゴリ:[ 天童荒太 ]
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週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人(さかつき・しずと)は、
新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男だった。
人を信じることが出来ない蒔野は、
静人の化けの皮を剥(は)ごうと、彼の身辺を調べ始める。
やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。
その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い、静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた。
この悼む人は直木賞受賞作です。
すでに天童荒太さんのファンなので、
読むのをとても楽しみにしていました。
天童荒太さんは今までどの作品でも家族というものを取り上げ、
深く深く物語を書いていました。
これも家族の話ですが、
前までの作品とは毛色が少し違いました。
人間は生まれたら必ず死ぬという、
これもまた随分重いテーマで物語を書いています。
誰でも人間は死んでしまう。
普段普通に生活していると、
どうしても忘れがちになってしまう、
あえて考えないようにしている問題に家族の問題を重ね、
久しぶりに自分の死や家族の死というものを考えてしまいました。
この問題については個々の考え方、
宗教的な面や哲学など、一生掛かって考えても答えは出ない問題で、
小説内でもそのような説明や答えは書いていません。
また、押し付けがましいような描写もなかったと思います。
あくまでも登場人物の生き方を通して伝えてきていますが、
それでも深く考えてしまうには充分な内容で、
この小説が完成までに7年の歳月が掛かったというのも、
作者の真剣さが伝わりました。
天童荒太さんの作品はどの作品でも、
文章に熱意が感じられ、
個人的に読むのに結構エネルギーを消費してしまいます。
しかし、普段当たり前のように過ごしていて、
深く向き合わない問題に正面から向き合っているので,
この改めて考えてしまうという所に凄く魅力を感じます。
どの作品でも好みというものはあるとは思いますが、
こういう独特な作風が自分の好みと合っています。
読んで損はない1冊だと思います。
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