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2011年3月21日 09:20 / カテゴリ:[ 今野敏 ]
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あの日、妻が消えた。
何の手がかりも残さずに。
樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。
そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。
あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。
だが夫は優秀な刑事だ。
きっと捜し出してくれるはずだ――。
その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。
彼を支えてきた妻。
二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。
今野敏さんの小説は
ずっとSTシリーズばかり読んでいたので、
他の作品は久しぶりです。
それでも最初に「リオ」を読んだ時の記憶がきちんとあり、
登場人物もすんなり頭に入れつつ読めました。
主人公が自分に自信がないのは
STシリーズのキャップと同じですが、
この樋口警部補の方が意思も強く、
格好いい場面が多い気がします。
タイムリミットがある中で、
最初はまったく手がかりもなく、
必死に妻を探す様子と、
最後まで夫を信じていた夫婦愛もこの物語のテーマの一つでしょう。
それも全て盟友氏家がいなかったら
今回はどうにもならなかったので、
その辺も普段からのこの主人公の生真面目さのおかげです。
もちろん物語という作られた作者の意図するものの中ですが、
それでもついついスリルがあって熱中してしまいました。
書店では完全に警察物というジャンルも出来上がり、
先日佐々木譲さんが直木賞を取った事もあり、
この今野敏さんの小説もたくさん見かけます。
これはまったくの余談ですが、
文庫本にある作者の写真が、
最初加藤茶に見えてしまい、
非常に顔が覚えやすかったのを思い出しました。
今野敏さんの小説は警察物しか読んだことがありません。
しかし、新刊コーナーでは毎回と言って言いほど
色んなジャンルの新作を見かけます。
一体いつ寝てるのか心配になるほど凄いですね。
この小説のタイトルは「朱夏」
前回がリオだったので最初は今度も人の名前だと思いました。
最後の方で上司の天童が、
「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」について語り始めます。
そのシーンがなんとも印象深く、
良い話だったと思えるような閉めにふさわしい言葉でした。
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